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                           (イメージ写真です)



Part7からの続き、(そして この章の最終回)



ー1978年 4月、三重県松阪市 両親宅 ー



おふくろは飛び上がっていました。


親父は 冷静でした。


私の親父は、20代で 戦争に駆り出され、

戦火をくぐり、負傷して 命からがら、

傷痍軍人となって、日本に帰ってきました。


おふくろは、空から降ってくる、
アメリカ軍のB29の爆撃や、

戦闘機からの機銃掃射を逃れて、
防空壕に飛び込んで生き抜き、

戦後のドタバタを、
戦争で傷つき、帰国した親父を支えながら、
私達兄妹を裁縫の腕で 育ててくれました。



私の中学時代の一日は
まず、病院に入院している父親の所へ

その日の新聞を自転車で届ける、
というような事から始まっていました。

親父は、ずっとではないにしろ、
戦争で受けた傷が元で
何回も、入退院を 繰り返していました。


おふくろは、家族が 健康で、
子供や孫達に囲まれ
笑顔で大安心の中で暮らせる、

ただ、そんな平々凡々な毎日を、
願っていたのだと思います。


《戦争の無い、平和な日々の生活》


親父も、おふくろ同様、
戦後、家族が出来、
普通である事の 幸せを 感謝していました。





しかし、親父の中では、同時に
時代の流れに翻弄されて、

その時代の若者達には 願っても、
絶対に叶える事ができなかった、

夢 とか、自分自身の人生 とかいうものが、

私という息子の無謀とも言える夢に
重ねられたのかもしれません。



だまって話を聞いてくれました。



息子の私にとって 親父というのは、

幾つになっても、な~んか、
目の前に立ちはだかっている壁のような。

一人前になるには
この壁を、超えていかなくちゃ ならないような
そんな気持ちが あったのだと 思います。

そんな自分であったので、
親の反対で決意が揺るがないように
こんな暴挙に出たのです。

しかし、

やっぱり、親父のほうが、
もう一枚上手(うわて)だったのかもしれません。

あっさり、

「まあ、やってみたら えやないか。」

と、言ってくれました。




あっという間に一週間が経ち、



明日には、松坂の港からフェリーで
東京、有明埠頭へ、

そして、羽田国際空港から出国という
ふるさと最後の夜、

その年、働き始めた妹から
な、なんと7万円もの餞別!


女房殿は
微妙に半端な大金の妹からの餞別に
かえって、
妹からの精一杯の気持ちを感じたそうです。
 


翌朝、出勤の妹とは
「じゃあね~」と、玄関で、

両親とは、
「ほな、行ってくるわ~」と、家の門で、
別れを告げました。




心配顔のおふくろには、

何日後かに、家の電話が 3回鳴って切れ、
また3回鳴って切れるのを 3度繰り返したら、

無事に着いたという合図だから、と言いました。


当時は、今のように、簡単に、それも無料で、
スカイプやラインなどで、

国際間で通話が出来るシステムなんて、
ありませんでしたから、

とてつもなく高い料金を払って
国際電話をかけるしかありませんでした。

大体、「国際電話」なんてものは、
庶民の生活からは、
まったく、かけ離れたものでした。



そこで考えたのが、上記の方法で、

相手が電話に出なければ、
料金が発生しないので、

合図さえ決めておけば、

「無事に着いたということ」

だけは伝えられるわけです。


もちろん、落ち着いたら、
詳しく手紙を書くからと言って。




迎えに来てくれた、親友Kの車に乗り込み、

松坂港に向かいました。


ここで、
心の奥底に眠っていた一枚の絵。


出航した 船のデッキ後方にいる私達。
別れを告げる先に、
白い泡の航跡が続き、
そのもっと向こう、
遠ざかる港の埠頭に。
親友Kと彼の車。
その向こうに 広がる故郷の山。



一文無しになって帰って来るのか?
夢を叶えて、笑って帰って来る日が来るのか?




ブログを書きながら、

今は亡き、我が友Kの
彫りの深い、濃〜い、笑顔が
よみがえってきました。




その夜、私達は、
あまり大きくないスーツケース1個と、
リュックサック1個、
若さと夢だけを抱えて、

新天地に向け、
羽田から飛び立ちました。


今日の歌は、加藤登紀子さんの「あなたの行く朝」です。
この歌は、私たち夫婦にとって、思い出の歌になりました。

「あなたの行く朝」


今回の記事で、一応、出国までとします。
またの折に、その後の事も書きたいと思います。

書いているうちに 色々な事が、思い出されてきて、
遂に、この章、Part 8にまで成ってしまいました。

お付き合い下さった皆様、ありがとうございました。m(^∇^)m



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